2021年6月20日大阪府下3回目の緊急事態宣言やっと解除ですね。何度目の緊急事態宣言がいつ始まりいつ終わったのか曖昧な日々。関係各所においては死活問題に関わる重要発令ですが、真面目に生活する大半の国民にとっては2020年の2月頃から大差なくコロナ自粛生活なのでワクチン摂取を急いでもらうしか術はなし。
ニュースを見てもイライラする内容が多すぎるので見ざる聞かざる隠遁生活に近い心境に達してきたかも。文句言うだけ無駄な人からは黙って距離を置くのでコロナも同じく。今の自分にできる最善のことは感染しないことと経済活動を止めないこと。
いつになったら空がすっきり晴れるかな?
BANANA FISH
さて私、3回目の緊急事態宣言でバナナフィシュ中毒になる。サリンジャーじゃなくてアッシュのほうですよ。でも推しはシンだよ。
あの名作コミックがついに映像化!のキャッチフレーズで2018年に放映されたアニメ「BANANA FISH」を古いの?新しいの?女性向き?男性向き?なんだろこれ?の気分で見てみたところノックアウト。前知識なく軽い気持ちで見たら最終話の後数日間は何も手につかないほど心を乱されてしまった。。。バナナフィッシュ中毒。こんなに心をもっていかれるなんて不覚すぎる。
原作読み直して落ち着こうと調べてみたら1985〜1994に別冊少女コミックで連載されていたまさかの昭和の少女マンガ!?←驚きの意味はアニメを見ればわる。流行から30年も遅れているのか私。アニメは平成らしい空気感で製作されてます。もし見るなら最初から最後までしっかり見て。
ここで遠い記憶が蘇り学生の頃まわりが不思議な騒ぎ方をしていた当時異色な少女漫画連載があったのを思い出した。外人とホモの話とか言われてたかな?中学生のセピアな記憶。中高大と歳月が過ぎ単行本の最終巻が出た時にも幅広いタイプの女子たちが騒いでいた。まだ連載していて今でもこんなに人気があるのかと思った黄色いマンガ本。間違いなく「バナナフィシュ」だ。
「すごくいい話ですごくお勧めで絶対読んだ方がいい!と思うのと同じくらいの気持ちで読まない方が幸せかもしれない。」と矛盾だらけの感想とお勧めを複数の友人が熱く語っていた記憶がある。誰か泣いてたな。心が複雑すぎて消化できずアウトプットできない状態に陥っていたんだと思う。
読もうかな?と思ったけど青春真っ只中の自分の人生が忙しすぎてマンガ読んでる暇はなかったし、若い頃は村上春樹あたりを読んでわかった気になっていた。あの頃の自分に「バナナフィッシュ」にしとけと教えてあげたい(笑)でも消化できる年齢の今だから読んでよかったのかも。
「BANANA FISH」が私のこれまで読んだマンガの中で一番に。内容を簡単に説明するにも検索にかかりたくない単語が並ぶので書きません。先入観なく見るほうがいい。該当ジャンルは読者次第。
それにしてもすごい作品だと思う。女性読者の心を射抜く少女マンガの金字塔なのに男性向けでもあるハードボイルドの両刀。30年以上も前にLGBTQを普通に扱い社会問題含め色んな意味で突出しています。深いと感じるか浅いと感じるかは感受性次第。
少女マンガは心の機微に共鳴し少年マンガは出来事を楽しむ。ストーリーの内側と外側の重点が違う。男女の理想像も違う。男性は少女マンガ誌連載だったことを念頭にどうぞ。女性には間違いなくお勧めです。絶対に見て!と思うのだけど心が繊細な人は見ない方が良いかもしれない。過去に友人たちが言っていた「BANANA FISH」への矛盾したお勧めの言葉に含まれた優しさが今になってよくわかる。
吉田秋生作品
「BANANA FISH」は読むほどに中毒化するので同作者の他作品に逃げてみることに。古い作品はキラキラ乙女マンガ時代にあんな尖った作品を掲載できる最先端より先をひらりとこえてるセンスがすごい。新旧作品のほとんどが映像化?舞台化?されている言わずと知れた有名な漫画家さんです。簡単に使いたくない言葉だけれど天才を感じる。
お勧めは「YASYA―夜叉―」未知の殺人ウイルスを東京に散布するバイオテロが軸のひとつになる話。刊行時はSF扱いだったと思うけど20年後のパンデミックの今では現実でしかない。色んなことが腑に落ちて考えさせられる。まさに今のタイミングで読むべきマンガ。ストーリー構成はバナナフィッシュを超えていると思う。そして「イヴの眠り」に続き完結。南の島の空気と魂の世界観が好き。
次に「海街diary」美人4姉妹のカンヌ作品映画の原作。広瀬すずが飛び出してきた作品といえばわかる?重いテーマさえ爽やかな風に変えていく穏やかな日常に癒されます。潮風を感じさせる描写が上手くてダイバーの心がさわぐ。海に行きたい。
新旧読破し「BANANA FISH」への虚無感が払拭されたかと思いきや「BANANA FISH」を超えることはなく振り出しに戻る。なんとかして!と思ってきたのが私だけではないのが30年越しの名作ということでしょうね。はああ…困った。