ヴァンクリーフ&アーベル・ハイジュエリーと日本の工芸
京都国立近代美術館で開催されていた「ヴァンクリーフ&アーベル・ハイジュエリーと日本の工芸」ゴールデンウィークから開催だったので会期終了間際とはいえ暑い夏の平日ならば空いているのでは?と思いのんびり行ったところ凄い凄い人でした(°_°)
ハイジュエリー約270点と日本の工芸約70点がきらびやかに光り輝く眩い空間。あまりに豪華すぎて欲しいと思うこともない、ただただ目の保養。そんな豪華極まる宝物ばかりなのに「個人蔵」のジュエリーも沢山。一体どんな人がこんな宝石を所蔵できるのかしら?と宝石よりも持ち主に興味をそそられてしまう品々。
ヴァンクリーフ&アーベル
ヴァンクリーフ&アーベルをご存じない方はご自分で検索した方が早いですが、フランスのジュエラーでパリのハイジュエリーメゾンです。既製品では四つ葉のクローバーをモチーフにした「アルハンブラ」が人気ですね。
今回の展示品のみならずメゾンでオーダーを受けて作り出す宝石達のきらびやかさとお値段は、ゼロの数がよく分からない高級品のハイジュエリーですが、その高価な宝石達とともに技を極める宝石職人の作業机達も展示されていました。
職人の作業机
どんなに高級で美しく煌びやかなものも、コツコツ積み重ねる細かく地味な仕事が生み出していることが一目瞭然な裏舞台の作業机達。煌びやかなハイジュエリーよりも心を奪われた机でした。
ジュエリーではないですが、美の代名詞にもなる「花」も同じ。美を追求し癒しや感動を届ける花の仕事の表舞台は煌びやかで美しいかもしれません。ですが、趣味や旦那芸ではなく「プロ」として花の仕事に就きたいのなら、地味な裏舞台で人が嫌がる仕事も積み重ねることができるかどうかです。それが仕事というもの。
リクルートにあたり花の仕事をしたい人に多いのが、自分は人よりも器用でセンスが良く才能があると思っている人なのですが、そんな事よりも大切なのは裏舞台の作業机を自分の軸に持っていることです。99%の努力。花の世界に関わらず全てにおいて共通の概念ですね。そんな当たり前を言葉ではなく教えてくれるハイジュエリーの宝石職人の作業机達。
京都国立近代美術館の上階から眺める京都市美術館と平安神宮大鳥居。もうすぐ五山の送り火。夏が過ぎ去るのは案外早い。