「いけばなの根源・池坊展 いけばな大作戦!」
すごい偶然の再会で招待券をいただいたので、ご無沙汰していた「いけばなの展覧会」を観に行ってきました。
ひと昔前は、日本各地のこの展覧会場を走らずに走り回って仕事をしていたので、仕事目線ではなくのんびりといけばな展を楽しんだことがこれまではなくて、とても新鮮な経験。舞台の裏側にいる人と表側にいる人とそして観覧する人。色んなものをまとめて客観的に見る不思議な眼鏡をかけているような感覚でした。
世界最高峰の華道人のお一人、野田唐峯先生の作品。
芸術の世界において「最高峰」はあるけれど「一番」はないと思っているので「最高峰」と表現させてもらいます。
どんな世界でも「最高峰」に登れるのは軌跡の確率なのだけれど「最高峰」にいる人ほど、上手く言えないけれど私には普通の人?に近く見える。それが超一流の証なのでしょうね。現実の自分より大きくみせたり威嚇する必要がないからなのだろうけれど、人生まだまだ学ぶことだらけ。
「いけばな」の作品には必ず人柄がでます。野田先生の作品はやわらかくて優しいと記憶していたままの空気感で安心したのですが、この作品の使用花材をみると、どちらかというと「いかつい」タイプなのに、全体的に「柔らかい」のはどうしてだろう?と不思議に思っていたところ「花器」が陶器でも金属でもなく「木器」なのだそうです。まさか「木」だとは思えない「塗り木器」。陶器にみえるけれど木器。木にしかない質感が作品の柔らかさにつながっているのでしょうね。教えてもらわないと「木」」だとは99.9%気が付かない。
野田先生との写真を載せたかったのですが後方に人が写り込みすぎていたので作品写真だけにしておきますね。
お元気な姿でお会いできてそれだけで足を運んでよかったです。
いけばな展を見に行く際には、「作品」「花」「器」の3つの視点で3回見て回ると面白いですよ。
まずは作品そのものをみて「いけばな」を楽しむ。
次に使われている「花」だけを見る。「いけばな」は、古いイメージですがポイントに使われているお花はトレンド最先端です。または珍しいお花だったり、使う花材に拘りをもって生けられているので、普通の花市場では見かけない世界中から集まった特別な種類のお花が花展にはならんでいたりもします。ちなみに上の写真の品種の「椿」を見たのは私は初めて。
そして「器」に焦点を当ててみる。どこで手に入れるんだろう?誰に特注したのだろう?お値段はつけられないクラス?と普段はお目にかかることのないような唯一無二な「器」を使われていることも多いので「器」を見る勉強にもなります。
究極としては、花も器もどこにでもあるものを使い、見る人全てを唸らせる天才に出会ってみたいと思う、今日この頃。。。
とても有意義な時間を過ごさせていただいた「いけばな展」でした。どうもありがとうございました!!