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花戦さ・専好立花

花戦さ

映画「花戦さ」鑑賞してきました。私が過去に働いていた場所のちょと昔のお話。

「花戦さ」という題名から流派争い?と文化を中傷的に受け止める人もいるようですが違います。あるレベル以上の華道人は互いを尊重します。日本文化の深さを知らず自国の文化を顧みない日本人の多さに悲しさをおぼえることが多い昨今、花に興味がなくても日本人として、是非ともご覧になっていただきたい映画です。もちろん外国人も!

さて、映画の話に戻りましょう。

聖徳太子が創建した紫雲山頂法寺、いけばな発祥の地とされている「六角堂」が舞台です。烏丸御池駅から徒歩3分。

日本史上、映画出演上位者の信長・秀吉・利休、そして今回、初代専好が映画に初出演の初主演(笑)。京の町人にスポットをあてていることで同じ人間として共感し、花とはそういうものだと再確認できる素晴らしい作品でした。

菖蒲

専好立花

ここからは、花に興味のある人へのお話。

現存する日本最古の花伝書から紐解けば華道史は池坊の歴史にたどりつきます。いけばな発祥の地と言われる所以です。現在の茶道は千利休という一人の天才によって大成された千家が有名です。華道では同時代の名手に専好の名があげられますが、たった一人の天才ではありません。古来より日本人は植物を神の依代とし、仏に手向ける供花がいけばなのはじめ、尊ぶべきは「誰」ではなく「花」。どの花も美しく、花に一番はないということなのだと理解します。それが「人」には越えられない「花」のもつ偉大さなのでしょう。

野村萬斎演じる六角堂住職、華道家元三十一世・初代池坊専好は桃山文化の担い手の一人である実在の人物です。この初代専好に続き、華道家元三十二世・二代目専好によって立花の様式が大成されます。いけばなとはそういうものだったのか!?と驚く、絢爛豪華な時代に雄大で力強い花が立てられた時代です。

百聞は一見にしかずとはいえ、現代では目にする機会はない超大作。秀吉の御成に前田邸で花を立てた史実に基づく本物の歴史的ないけばな「大砂物」。時を超え圧巻の芸術作品を見ることができるチャンスです。この再現を目にできるのは最初で最後かもしれません。映画館の大スクリーンでさえ実物大に至らないものの、映像でみえる最大サイズ。花の世界に身を置く人は必見、映画館での鑑賞をお勧めします。

花に興味のない人には何とも言えない感動を味わえる良い映画だと思います。京都人ならカメオ探しが面白いかも。

そして、花の世界に身を置く人は一瞬たりとも見逃してはいけないどころか、一時停止し鑑賞させて!となりつつも、ストーリーにも感動し、目と頭と心をフル活動させ、すごく忙しいのでお気をつけ下さいませ!

 

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