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妄想にゃんこ劇場2

アトリエの駐車場で出会い、毎日必ず遊びに来ていたさくら猫の黒猫兄弟「クウ」と「カイ」あわせて「空海」

猫をかわいがったことのない人間(私)と人間にかわいがられたことのない猫の絶妙な関係。

手の届く距離には近寄らせてくれない野良猫教育を受けて育ったであろう黒猫兄弟。

「おれはだれにもつかまらないんだからなっ!!」

丸見えなのに隠れているつもりのクウが可愛すぎて写真を撮ったこの日を最後に姿を消してしまった黒猫兄弟。

極寒の2月の始め。心配すぎて庭に来てくれればと、にゃんこ喫茶をオープンしたのが前回のブログ。

初めましてな地域猫たちが常連となったものの黒猫空海の姿はない。行方不明の家出猫の捜索は近所の野良猫に尋ねてみるといいと、どこかに書いてあったので、そんなバカなと思いながら庭にカリカリを食べにくる猫達に

「駐車場の黄色い車の下にいた黒猫にオバニャンがとっても心配しているから顔を見せに来てと伝えて!」とお願いしてみた。

真剣にお願いをすると、どの猫も目をみながら話をちゃんと聞いてくれている感じだった。

でも、まさかね。。。

「おで、やばい。だずげで。」ズビビビ・・・ブベベベ・・ゼイゼイゴロゴロ・・・ブエクション(涙)

本当にその翌日、クウが駐車場で待っていた。生きてた!!

当初はこの写真どころでない、よれよれで、がりがりで、全身鼻水だらけで、目もほとんどあけられず、ゲボゲボズビズビすごい音を立てながら猫とは思えない姿で駐車場の隅に。

近づくとまっすぐ歩くこともできないのにふらっふらな足取りで逃げる。このまま死ぬ?と本気で思った。

追いかけて捕まえられず2度と姿を現さない可能性を考えるとどうしようもできないジレンマ。

外で生きる猫は冬の寒さを乗り越えられなければ春は来ないのだ。儚い。

鼻がきかず口内も炎症を起こしているようで食べない。食べて大丈夫なものかもわからず食べれないのだ。

生存本能が生存の邪魔をして命ギリギリ。

猫の姿を探しまわったおかげで近隣で猫に優しいお家をいくつか発見したので、ちょっと安心しつつ高栄養療養食を買ってスタンバイ。

毎日、玄関扉を開け放ち長い時間をかけて栄養食を口にしてくれるのを一緒に待ちながらオバニャンもしっかり風邪ひいた。

それよりもっと寒い中で君たち外猫は暮らしているんだね。

元気な地域猫を見ていると家猫より幸せなんじゃないかと思う時もあるけれど、明日も元気な姿で会える安心なんてない危険の中で毎日必死で生き抜いているのが野良猫なのだと教えられた。

「わいるどでがっぐいい、おでをとるのだ!」

あれから2ヶ月。まだまだガリガリで鼻水すすりながらでカッコ良くはないのだけれど、とりあえずはひと段落。

猫には猛毒になる危険な花も扱う花仕事なので猫を飼うことはできないし、沢山の地域猫がいて家で飼える数でもない。

私に今できることは、カリカリがもらえる餌場と雨風しのげる避難場所の一つになること。複数の猫のカリカリ代と療養食やサプリメントだけでも結構な出費。

保護猫保護犬活動をされている方達の出費はこんなものではなく動物の医療費には健康保険はないから高額。人間の診察費の3倍以上。

動物が与えてくれる尊さは計り知れないとはいえ、誰に感謝されるわけでもなくお金も時間も無償で費やして小さな命を守っている人たちの凄さに本当に頭が下がる。立派。

と同時に、ボランティア依存ではなくもっと行政が中心となって動くべきことではないのか?となんとも言えないモヤモヤがつのる。野良猫の去勢避妊手術費用は個人の財布から捻出するには十分に大金。

今の日本で犬猫を保護するのは個人の良心や善意に任せるしかないのかもしれない。

でも野良猫の去勢避妊手術費用を個人が負担し獣医師が儲けるのは違うんじゃないかな?

とはいえ手術という医療行為を無償で獣医師が行うボランティアが当たり前というのも違う。

どうしてもっと行政が動かないのだろう?仕組みを変えないのだろう?

犬と猫は違う。運よく保護してもらえた保護猫の何倍もの野良猫達が人目を忍んで生きている。そして人知れず簡単に死んでいく。それぞれの猫格と魂をもって存在しているのに。結局のところ野良猫って人間社会の機能不全が生み出した歪み。そこが変わらない限り野良猫が存在する本質は変わらない。

どうして野良猫の去勢避妊のための手術室が各市町村にないのだろう? 殺処分施設はあるのにね。

殺すために保健所へ連れて行くのは嫌だけど今ある命を生かすためにならきっと多くの人が協力する。

にゃんこ喫茶にくる猫達は日々面白く可愛い。だから野良猫のおかれる現実にモヤモヤする堂々巡り。

ラグジュアリーフラワーショップ

プロポーズフラワーショップ

※ここに写真登場している地域猫(さくら猫)達には、弊社アトリエ敷地内の庭と食事を提供していますが、野良猫として生きる上での安全のため触れることはできない距離を保ち、人馴れさせないようにしています。

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