新型コロナ感染拡大中。大阪外出自粛要請が出ましたね。不吉なことは書きたくないけれど、それでもまだ他人事な空気感が恐ろしい。
大阪・京都・奈良・兵庫・和歌山・滋賀・近畿圏で生活する人に伝えたい。
数日前にイタリアのニュースをみて背筋が凍りつきました。複数の遺体をまとめて運ぶため列をなす軍用車。休みなく稼働しても間に合わない火葬場。所せましと並んでいる棺桶。憔悴しきった火葬場の人の言葉。最後まで見るのが尊厳のような気がして目をそらせなかった映像が脳裏から離れない。
3.11の当日に津波映像を感情とは別のなにかに見届けなさいと言われたような、震えながらも目をそらせなかった感覚に近い。東日本大震災で多くの日本人が感じたはずの言葉にできない何か。阪神淡路大震災の当日に大阪市内のビルから見えた神戸方面で立ち昇っていた黒い煙への胸騒ぎにも似ている。
ミラノと大阪は似ている。
ミラノを中心とするロンバルディア地方、イタリア北部の感染致死率が10%を超えているのは高齢者率が数字の示す理由ですが、現場に目を向けるとミラノで働き、ミラノで遊ぶ、近郊の町で家族と暮らす人達が地元へコロナウィルスを運び、同居または近くに住む高齢家族に感染させてしまったこと、世代間の交流ある生活が致死率10%以上の要因のひとつだそうです。
ニュースでは「経済的理由で親元や祖父母の元からミラノへ通う田舎の若者」といった表現が多いので、貧乏感と田舎感を感じてしまい大阪との共通点を感じにくいですが、大阪市内へ通う近畿圏の家庭で不自由なく育った人達と似た生活観です。イタリアと日本を比べると共通点は少ないですが、ミラノと大阪は共通点が多い。
私が知る外国の町で「大阪」に一番似ていると思ったのが「ミラノ」です。生真面目な日本の中ではラテンな大阪と、ラテンのイタリアの中では生真面目なミラノ。理屈ではなく肌で感じる「違和感がない」感覚。
「ミラノへ通う田舎の若者」とイコールなのが「大阪市内へ近畿圏の地元から通う若者」です。貧乏でも田舎でもない。
大阪市内で仕事をし環境のいい地元郊外でゆったり生活する。大阪府民だけでなく大阪・神戸・京都市内へ通勤通学できる近畿圏で生まれ育った多くの人に共通する生活感。東京にも他の地方にもない感覚だと思う。
私のミラノの友人達は、若い間は生まれ育った郊外の環境のいい地域で家族と暮らし、車1〜2台を共用し、友達の友達の友達にまで機嫌よく食事を出してくれ、両親のどちらかも生まれ育った地元民でミラノで働く。都心部では車は使わず地下鉄移動で帰りは自家用車。経済都市圏における都心部と地元を使いわける生活方法。似てませんか?
首都でもないのに世界に知られる都市で、物価や生活費で世界ランキングに登場する経済に秀でた都市。派手めで人懐こい。都会的でも気取ってないお人よし。ケチのようで他人には気前がいい。都会の洗練と田舎の人情を共存させたままの生活環境。これは大阪だけでなく近畿圏の人に多く共通します。でもこれがウィルスに対しては弱点になる。
今は共感する近畿圏人にピンポイントで届けたいので近畿圏外出身の人がどう感じるのかは、ご了承ください。
大阪とミラノの枠を広げれば「近畿」と「ロンバルディア」
大阪を経済圏として行き来する近畿圏全域でイタリアの致死率の高さが他人事ではない。近畿には他に感染拠点になる都市の神戸と京都もある。一定以上の条件をもつ人が感染すれば高い確率で死に至るウィルス。医療崩壊で人が死ぬのではない。医療崩壊はその次におこる恐怖。
全てが落ち着けば明白になるけど、今わかる要因の一つは、ミラノで働き遊んできた人達が、郊外で一緒に仲良く暮らしてきた祖父母や両親にコロナを届け命を奪ってしまったという悲劇。悲しみの深さは計り知れない。
全てはコロナのせいだけど家族の誰かが自分のせいで命を落とす不幸に恐怖心をもたないとイタリアの二の舞になる。イタリア人はこんなことになるとは知らなかった。今の日本はイタリアの不幸を知っている。本当に危機感を持たなくてはいけない。
イタリアをみて恐怖心や危機感を持つ空気感がないのはなぜ??と不思議だったけど、私もニューヨークの映像を見た時に「遠い外国で起こっている映画」のように感じたので、知らない土地や人の不幸を見ても「明日はわが身」とは思わないことに気がついてこの記事を書いてみた。
東京とニューヨークを比較するなら、大阪とミラノ、近畿とロンバルディアの類似点が危険です。
発症率の低い若い人たちへ
日本で危機感がないのは若い人だけではないです。危機感や本音なんて他人にはわからないけど生活習慣のおかげで日本人はウィルスの感染予防には強い。だから油断してる。でも飛び交うウィルスの量が増えればウィルスに負ける人が増える。
ウィルスは人から人へ移動しその数を増やします。死ぬわけじゃないから感染しても怖くないし、我慢してない中高年がいるのに、なぜ自分達が我慢しなくてはいけないのか?と感じる若い人は多いはず。でも感染も発症もしなくても見えないウィルスを運んでいます。あなたが運んだウィルスに感染するのは高い確率であなたの家族です。あなたの大切な人の中の誰かです。家族ではなくてもウィルスは自分の近しい人から感染し広がっていきます。
自分にとってコロナは怖くなくても、ウィルスを運んで家族や大切な人の命を奪う自分になるのは怖くはないですか?
ウィルスを地元や家に持ち帰れば家族の誰かが死ぬかもしれない。それがイタリアで現実に起こってしまったこと、まだ終わっていないこと。
若い人の方が道理がわかれば正しい方を選ぶ頭の良さと正義感を持っているからこそ若い人達に伝わってほしい。
ミラノと大阪を都市圏とする地域は似ています。地域によってとるべき対策は違うはずです。
近畿圏の皆さんへ伝わりますように祈りを込めて!